「氣分上々」という言葉から、あなたは何を連想するだろうか。 一般的には、楽しさや嬉しさに心が弾み、気持ちが高揚する様を思い浮かべるかもしれない。もちろん、この作品にはそれらのポジティブな感情や、観る者を元気にし、その空間を活気づける力が宿っている。 しかし、私はこの言葉の核にある「き」の文字にあえて「気」ではなく、旧字体の**「氣」**を宛てた。 ここに込められたのは、目に見えない「生命エネルギー(氣)」そのものの循環である。 「氣分」とは、氣を分けること。 米を四方に散らす形を持つ「氣」の文字通り、内に秘めたエネルギーを四方八方へと分け与えていく。その循環に触れた人、モノ、そして空間のすべてが呼応し、本来あるべき「善い氣」がぐんぐんと巡りはじめるのだ。 それは同時に、内に眠る圧倒的な「個の力」を呼び覚ますトリガーでもある。 たとえ今、どんなに不遇の淵に立たされていたとしても、そこから自力で立ち上がり、運命を勝ち取っていく。現状を力強く打破していくためのエネルギーが、内側から激しく湧き出してくる様をこの四文字に託している。 この目に見えぬ「氣の広がりと巡り」を視覚化するため、本作では淡墨の表現に挑んだ。 濃淡と滲み(しじみ)のグラデーションは、大気の中を揺らぎながら流れていく氣の生きた軌跡である。小さな一点から生じた熱量が、広大無辺に広がっていく様。そして、どんなに小さく奥まった場所にでも届くように、細く、長く、どこまでも伸びていく一筋の線。 この作品は、ただの調子の良さを表す言葉ではない。 沈んだ心を底から押し上げ、現状を突き破るための「命の波動」そのものである。
実際の空間に飾ったときの見え方です。ご自身のお部屋でも試せます。





